OKRとは?チーム一丸となって高い成果を生み出す究極の方法 – GoogleやFacebookで活用

チームで人数が増えれば増えるほど、なかなか一つの目標に向かって高い成果を出していくのは難しくなっていきます。
その問題を解決するためにGoogleやFacebookでも活用されている、チームで高い目標を継続的に達成することができる「OKR」という目標・活動管理の方法について紹介します。
この記事はこんな方に役に立ちます↓
・OKRは聞いたことあるけど、どんなものかわからない方 ・OKRを導入しようとしている方 ・OKRを実践していてうまくいかないなと思っている方 ・自分のチームは優秀なのでOKRは必要ないと思っている方 → 更にパフォーマンスがあがります
この記事は、私がチーム向けに「OKRとはなんぞや」「実践していく上で具体的にどうやったらいいのか?」ということを説明するために作ったプレゼン資料をもとにしています。
かれこれOKRを3年以上継続的に活用・運用してきて、途中で定義が曖昧になったり、新しいメンバーが入ってきたりで、都度説明する必要があったので整理したものです。
記事の最後に、実際のプレゼン資料をSpeakerdeckで貼っておきますので、資料だけ見たい方は、ぜひそちらまで飛んでみていただけるとうれしいです。

最初に:OKRを理解するために読んだほうがよい情報源

OKRといえば、書籍「OKR(オーケーアール」が読みやすくてとても良いのですが、本当に実践していく上では足りない情報が結構あります👇
私が更におすすめしている書籍は、「Measure What Matters(メジャー・ホワット・マターズ) 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功手法 OKR」です。この記事やスライドも、この書籍の内容をベースに整理したものになります👇
また事前知識として、Google re:Workにあるのページにも、概要となるそれなりの情報が載っているので、ぜひ見てみてください👇

そもそもOKRとは何か?

OKRとは、達成したい目標(Objective、Oが略称)と、それを達成するための結果(Key Results、KRが略称)で構成されています。
やることがたくさんある中で、チームやメンバー毎にやることがバラバラだったり、同じ方向を向いていても目指していることがぶれたりしていると、なかなかチームがまとまりません。目指す目標をきちんと言語化し、納得の行く形で取り組むことが重要です。
特に、OとKRの関係で重要なのが「複数あるKRがすべて達成されるとOは必ず達成する」ということです。この関係性は絶対に崩れてはいけません。
OKRの期間は3ヶ月の場合が多いですが、内容によって短くも長くもしてOKで、場合によっては例えばGoogleのyoutubeプロジェクトは、4年のOKRに取り組んでいた時期があったりします。

なぜOKRがよいのか?

いろいろな目標管理の方法がある中で、OKRが大きな目標を達成するために良い理由は下記の3点です👇
これらの3つが揃うことは目標を達成する組織の顕著な特徴で、シンプルかつ誰が見ても明確なゴールや指標があることは、大きな目標を目指す上で心理的安全性が高い良い状態です。加えて、目標を達成するだけでなく、チームや個々人が成長するための筋肉を鍛え、成長していくために最も良い方法です。

OKRの威力

OKRを採用すると、特に4つの点で顕著に結果が現れます。
従来のやり方でよく起きがちなのは、どれかの目標を達成しようとすると、それ以外の達成が難しくなるという問題。OKRはそれらをできる限り同時に達成するためのやり方です。1つ1つ詳細に見ていきます。

1. 優先事項のフォーカスしコミットする

成長している会社であればあるほど、たくさんやることがあります。場合によっては、目の前に飛んできたボールをただ蹴り返すみたいに、いきあたりばったりなアクションになったりしていませんか?もしくは経営陣や上司の思いつきでやることが右往左往したり。OKRでは、チーム全員で優先順位を決め、それにフォーカスするということを重要視しています。
逆の言い方をすると、「重要でないこと」も言語化し、それらを意図的にやらないという認識をチームで合わせます。OKRの番人を任命して、決めたことが守られているか?という確認をするのも良い方法です。

2. 認識を合わせ緊密に連携をする

OKR自体がそもそもの会社のミッションやビジョンとあっているか?というところは、設定するときにきっちり確認が必要です。それらを達成することにより、会社やチームの貢献し、各々がモチベーションが高い状態でアクションを積み重ねて行ける状態を作ります。
また、OKRを決定するときはトップダウンで決めるのではなく、トップダウンとボトムアップの半々が望ましいです(会社の方針にもよりますが)。

3. アクションの可視化と責任の所在の明確化

 
責任は追求するものではなく、所在を明らかにすることが重要で、OKRはそれにもっとも適したやり方です。今何がどうなっているのか誰でもわかり、高いパフォーマンスの中でそれらを実行していくことができます。必要に応じてOKRを柔軟に変えていくことも問題ありません。あまりフラフラしてもよくないですが、決めた当初から状況が随分変わっているのであれば、意思をもって変化させていくことは大事なことです。
 

4. 驚異的な成果を達成する

ここが最も重要です。OKRは野心的な目標を設定し、それらを達成するための方法で、そのために期待される目標を全体の70%に設定します。そのうえで100%という高い目標をチームで達成しにいきます。
場合によっては、ストレッチした目標がたてられない場合は、コミットするOKRとして高い目標を置かなくても問題ありません。柔軟に決めましょう。とはいえ、できる限りストレッチ目標をたてることをおすすめします。
また、新しいチャレンジには失敗がつきものです。失敗しても個人が責められることないような環境をつくり、どんどん挑戦していけるような状態をつくることも重要です。

パフォーマンスを継続して管理していく

個別の1 on 1ミーティングを実施し、今何をやっていて、進捗はどうか、目標を達成するために妨げになっているものはなにか?ということを継続的な対話から引き出し、チャレンジできる環境をつくる、改善していくことは、チームとして重要なことです。また、各々のキャリア目標と同期する形にするのがベストです。
KRの評点は下記の3段階で表示し、できる限りわかりやすいように、赤、黄、青の三段階で表現します。

OKRの具体的な設定の仕方

このあたりから、OKRの具体的な事例を紹介していきます。
OKRの設定の仕方にはコツがあって、わかった気になって運用してみても、思ったとおりにいかないとか、やっているうちに認識がズレているとか結構あります。
まずは認識齟齬が無いように、シンプルかつわかりやすく言語化すること。そして、1番重要なのは冒頭にもちらっと書きましたが、設定したKRをすべて達成したら、Oが達成されるようになっていなくてはいけません。余分にあっても、足りなくてもいけない。
また、必ず定量的に測れるものに落とし込んでください。定性的だと思うものも工夫して定量化してOKRを設定するのが望ましいです。
KRを決めるときのポイントとしては下記2点👇
  • KRは多すぎず3-5くらいにしておく。もちろんそれより少なくてもいいが、多いのは大概うまくいかないので止めたほうがよい。
  • 質的なKRと量的なKRを組み合わせるのがよい。何かを達成するために、サービスの品質が落ちてしまっては元も子もない。短期的に成果を出しつつ。長期的にも負債を残さないやり方にするとよいです。特にプロダクトづくりの場合は重要です。
OKRを決めるときは、肩書は捨てたほうがよいです。
誰がいうかではなく、一番優れたアイディアが勝つべきです。またわかりやすさは重要で、数字もわかりやすい切りのいいものにしましょう。経験上でもそうですが、一番最初のOKRはうまく行かないことが多いです。何かしらのズレが生じて違和感があったり認識が違っていたり。
それでも辛抱強く、軌道修正しながら続けていくことをおすすめします。重要なのは何がズレていたのか、ちゃんと振り返り会をしっかりすることです。

OKRの具体的な事例

アメリカの事例が多いですが、具体的な会社・サービスと、設定したOKRを紹介していきます。私は実運用しながら、この事例を見返すことが多かったです。ざざっと紹介していきますね。
組織のOKRはこのような形になります。一番上のKRが下の階層のOになる
他にもいくつか有用な事例があったので下記に紹介します。

おまけ

これはやっていけないというアンチパターンや確認事項も紹介します。すでに説明してきたことの逆を整理したものですが、頭の片隅においておいたり、OKRを決めるときに振り返りに使っていただけるとよいかと思います。

スライド掲載場所

上記スライドのみを掲載しているのでぜひ御覧ください👇
以上です!